『あの出会いがなければ、今の道はなかった』 —OMAKASE奨学金・第1期生 福士さんインタビュー

「OMAKASE奨学金」第1期生の福士さんより、交流会をきっかけに「石かわグループ」jinen.への入社が決定したと報告がありました。かつて遠い世界だった一流店の厨房は、交流会での運命的な出会いと体験を通じ、「自分が挑戦すべき場所」へと一変。学生からプロへと飛躍した福士さんにとって、OMAKASE奨学金とはどのような“存在”だったのでしょうか。


 

【2026年現在の福士さん – jinen.の前にて】

■ご経歴

・北海道旭川市出身
・高校卒業後、札幌の調理師専門学校へ入学
・調理師専門学校の在学中に、OMAKASE奨学金に応募し採択される
・OMAKASE奨学金の交流会にて、石かわグループの jinen. の加藤シェフに出会う
・交流会にて加藤シェフに相談し、jinen. での研修を経て、卒業後 jinen. へ入社

■インタビュー

――学生だった福士さんにとって、当時、OMAKASE奨学金に採択され交流会に参加したことで、どのような変化がありましたか?

一番は奨学金の交流会がきっかけでjinen.と出会え、今 jinen.で働けていることです。本当にありがとうございました。

あとは、同い年ぐらいの料理人を目指している同志がいる、ということにとても刺激を受けました。東京や大阪でも、こんなに志を高く持って頑張っている同い年ぐらいの人がいるんだと。また、厨房見学では、人数に対して意外とコンパクトで機能美にあふれた厨房だと感じ、その中で一流の料理が提供されていることにびっくりしました。

バイト先の人や学校の先生から、『一流を目指すなら東京に出て、一流のレストランで一流のお客様に料理を提供したほうが良い。その方が、いち早く一流になれる。』と聞いていたなかで、一流の現場に触れたことで、改めて東京でチャレンジしたいという強い決意へと変わりました。

【2024年当時 – OMAKASE(第1回)交流会にて】

―― jinen. に入社して、1年経過しました。どうお過ごしですか?

「入社して1年ですが、おかげさまで自分がやるべきことが次々と増え、忙しい日々を送っています。特に、デザートや仕込みの範囲など、任せてもらえる領域が着実に広がってきました。若いうちからこれだけ幅広い業務に携われるのは、スピード感を持ってスキルアップ・レベルアップできる環境であり、本当にありがたいです。自分にとってチャンスの数が増えたと実感しています。」

―― 現場で直面する忙しさや大変さと向き合う中で、交流会の中での石川さん(神楽坂 石かわの店主)の言葉はどう活きていますか?

「当時、おやっさん(石川さん)の『プロの仕事は、目の前の人を幸せにする戦いだ。』という話を聞いて、実際の飲食店ではどのような“哲学”で働かれているのかを知り、驚きました。働き始めた今でも、おやっさんの言葉は変わらず心の支えとなっています。

石かわグループ全体に深く根付いているのは、常にお客様ファーストで考える姿勢です。お客様が時間と費用を割いて来てくださっているからこそ、料理一つひとつに心を込める。どうしたら喜んで帰っていただけるのかを、若手までみんなが考えている。この徹底ぶりがすごいと感じます。」

【笑顔でインタビューに応答】

―― 当時、もしもこの奨学金に応募していなかったら、現在はどうなっていたと思いますか?

OMAKASE奨学金の交流会で jinen. に出会えたことは、私の料理人人生における運命的な出来事でした。もしその機会がなかったら、今の道は選ばなかったかもしれません。先生に紹介された別の研修先から選んでいたと思いますし、地理的に東京のお店は数軒しか見られなかったはずです。おそらく最初は札幌で就職し、夢を追うのに遠回りをしていた可能性が高いですね。」

―― 給付された20万円を具体的にどう活用しましたか?

「交流会が東京であったので、東京観光で使ったのと、その前後で東京のお料理屋さんを2軒予約し、お料理を勉強する経験に使わせていただきました。残った分は、卒業旅行に(笑)

その中でも、特に東京のお料理屋さんで食事をし、あの時の『おいしい』と感じ喜んで帰った経験は、今でも活きています。今のjinen.でも、同じようにお客さんに感じてもらいたいと思いながら過ごしています。

交流会の中でおやっさんからあった『お金は、何に使うかが大事。料理人として実際に食べることにお金を使い、自分の中の価値観を磨いていってほしい。』という言葉を、身をもって実現できました。」

【jinen. のメインカウンターにて】 

―― 最後に、これから挑戦する後輩たちへのメッセージをお願いします。

「一流のお店で一流のお客様に触れ、経験を積むことをおすすめします。今、私はいつか自分の”お客様に寄り添えるフランス料理店”を持ちたいと考えています。これは、一流のクラシックのお店で、一流のお客様へ料理を提供する今の経験から、自分の中に生まれた選択肢でした。もし最初から『何となく知っている街のお店に就職でいいや』と選択していたら、技術や志の向上も遅く、このような夢は持てなかったと思います。

また、専門店などの小さなお店は、料理人1人ができる仕込みの種類やチャレンジの機会が圧倒的に多く、とても鍛えられている感覚があります。スキルアップ・レベルアップを早くしたい人は、専門店も卒業後の選択肢として考えてみてください。」


 

編集後記:

日本の飲食業界に有為な人材を輩出することを目的として設立した「OMAKASE奨学金」。向上心を持ち、才能ある若者たちの金銭的な負担を軽減し、彼らが夢を追求できる一助になれればと考えていたなかで、交流会が奨学生にとって大きな人生の出会いとなったことを大変嬉しく思います。

引き続き、当社は日本の飲食業界全体の基盤となり、業界の発展に大きく貢献することを目指します。OMAKASE奨学金はその一つとして、日本の豊かな食文化のさらなる発展に対する長期的な貢献となれば幸いです。

※交流会・取材にご協力いただいた神楽坂 石かわ、jinen. などを運営する I1Companyでは調理スタッフやホール・サービススタッフを随時募集しております。


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以上